性欲が大きい人は、生きる意欲も大きい!?
人間には、5欲があると言われています。
食欲、睡眠欲、金銭欲、名誉欲、そして性欲です。
この5欲の中で一番テストステロン(男性ホルモン)が影響をあたえる欲が性欲です。
男性は女性の5〜10倍のテストステロンを持っていますから、男性のほうが女性よりも全年齢で性欲は大きくなります。
高齢者になると男女とも性欲が低下します。
しかし、65歳以上になっても男性はまだ50%以上性欲がありますが、女性は10%くらいしか性欲がなくなってしまいます。
この男女のギャップは、欧米では大きな問題です。
欧米の文化では、日本のようにセックスは家庭では行わず外で済ますというわけにはいきませんので、夫に求められた妻は離婚しない限りは求めに応じる必要があります。
それで、世界で現在一番問題になっているのは性的意欲障害です。
性交痛は、フェムゾーン(腟と外陰)への性ホルモンクリーム塗布や、レーザー治療、骨盤底リハビリテーションなどでなんとかなるからです。
他の5欲に比べると、性欲は子供を作るまでは必要ですが、その後は生存するのに特に必要がなくなる欲なのではないかと思われる方もいるでしょうが、実は性欲は、生きる意欲と相関します。
つまり性欲が大きい人のほうが、生きる意欲が大きいのです。
ですから男児のほうが女児より活発です。
若い男性も元気です。
しかし、この元気さは高いテストテロンによって維持されているので、低下するととても元気がなくなってしまいます。
これをLOH症候群といいます。
LOH症候群の男性の多くは性的意欲障害にもなっています。
一方女性は、もともと低いテストステロンレベルに慣れていますから、ちょっとくらいテストステロンが低下してもそんなに急に元気がなくなるわけではありません。
しかし、性欲はなくなってしまうのです
男性で、男性ホルモンが低下して元気がなくなったLOH症候群と、性的意欲がなくなった閉経後の女性の治療には、テストステロン補充が行われます。
閉経前の女性は、まだ女性ホルモンも男性ホルモンも正常値である場合が多いので、性的意欲低下の治療薬はなかなか良いものがありませんでした。
実は、閉経前の女性の性的意欲低下の原因の70〜80%は心理的問題が絡むので、辛抱強くカウンセリングを行うことが治療のスタンダードだったのです。
しかし、10年前に脳内のドーパミンを上昇させて性的意欲を上昇させるフリバンセリンという薬が米国で開発され閉経前の女性に投与されるようになりました。
現在、日本でも限られたクリニックで処方されるようになってきています。