第25回フェムテック銘柄大東製薬工業株式会社様 - 一般社団法人日本フェムテック協会

第25回フェムテック銘柄

バストミン

企業名

大東製薬工業株式会社

https://daito-p.co.jp/

商品ページ

https://daito-p.co.jp/product/bustmin.html

商品特徴

バストミンは、卵胞ホルモン（エストロゲン）であるエストラジオールとエチニルエストラジオールを配合したクリームタイプの塗り薬で、指定第２類の市販薬です。更年期や閉経後に卵胞ホルモンの分泌が低下すると、人により更年期障害の不定愁訴をはじめ、陰部の乾燥にともなう痛みや痒み、性交痛などの症状を来すことがあります。このような卵胞ホルモンの不足に、バストミンは卵胞ホルモンを皮膚から少しずつ補充できます。本剤を外陰部へ少しずつ塗ることで、全身的には多すぎない程度の補充をして卵胞ホルモン剤で指摘されるリスクを抑えながら、局所的に効果的な補充をすることが期待できます。

開発ストーリー

バストミンは、ヒメロスの姉妹品として1965年に旧・厚生省から承認されましたが、より使いやすく時代に即した医薬品を目指してクリーム剤へリニューアルし、2003年に厚労省から承認されました。この頃、欧米では女性ホルモン補充療法の次世代製剤として様々な塗り薬がリリースされ始めていましたが、バストミンは市販薬の立場から全身的には安全性を重視した穏やかな効果と、陰部への局所投与による切れ味の良い効果の両立を目指しました。特に、外陰部へ塗ることが出来る女性ホルモン剤は、これまで日本で承認された医療用医薬品に無かったことから、女性医療に携わる医師が治療で用いるようになり、着実に実績を積んでいます。

社内外に向けて行っているフェムテック・フェムケアに関する啓発活動

弊社HPのコンテンツや冊子の配布を通じて、GSM（Genitourinary syndrome of menopause:閉経関連尿路性器症候群または閉経関連泌尿性器症候群）や萎縮性腟炎の啓蒙を行っています。

■発売開始日

1965年 3月 5日

■販売場所

薬局・ドラッグストア

■フェムテックカテゴリー

更年期 / 更年期以降

評価内容

総合評価　4.0

フェムテック評価

※5段階評価の平均値

・健康課題に関する悩みや不安などの解消度　3.8
・セルフケア製品・サービスとしての取り入れやすさ　4.4
・買いやすさ、買い求めやすさなどの入手のしやすさ　4.6
・使い方が分かりやすいか、継続のしやすさかはあるかなどの使いやすさ　4.0
・使用したことによってQOLが高まったと感じるか（各メンバーの主観的評価）　3.8

フェムテック評価　4.1

一般評価

※5段階評価の平均値

・企業・ブランドのSGDsへの考えと取り組み　3.6
・使用している成分や技術について（ジャンルによってはデータ提出）　4.4
・独自性、ニュース性、画期的などのマーケティング視点　4.2
・暮らしになじみやすいか、洗練された印象はあるかなどのデザイン性　3.4
・製品・サービスの開発背景や想いなども含めたブランディング視点　4.0

一般評価総合　3.9

評価委員からの総評コメント

山田奈央子

一般社団法人日本フェムテック協会代表理事
株式会社シルキースタイル代表取締役

ピンポイントで更年期の女性の悩み解決に寄り添う画期的な商品だと思いました。病院だけでなく、薬局で買える手軽さがあるのはとても嬉しく、手軽に塗りやすくべたつかないクリームタイプなのでとても使いやすいです。女性ホルモンの不足にともなう陰部の症状に対して卵胞ホルモンを局所的に補充できる医薬品である点は、他社にはない独自の強みであり、商品自体が健康・福祉、ジェンダー平等、製造・使用の責任の切り口に貢献している点は社会的意義があり素晴らしいと思います。病院にいかなくても手にとれる薬があることはまだまだ知られていないため、手に取りやすいデザインなどに変更することも一つなのでは、と思います。
更年期症状の方向けのアイテムがまだまだ世の中に少ない中、いち早くそこの悩み解決に向き合い、独自性の高いアイテムの製造に取り組んできた点が大変すばらしいです。多くの女性を救うことにつながると思うので、ひろがっていくことを期待しています。

市川美和

一般社団法人日本フェムテック協会理事
国家資格キャリアコンサルタント

まだまだ婦人科の敷居が高いため、薬局で気軽に相談できて、進めてもらえる製品は、婦人科には行きたくないが悩んでいる人にとってはありがたい存在だと感じます。ですが、医師の診断・指示を経ずに女性ホルモンを補修するという製品には、若干不安がありました。また、「症状が泌尿器、生殖器の場合は外陰部に直接塗布を」とありますが、具体的にどこにどう塗れば良いのか説明書に図入りでわかりやすく解説があるといいと思います。「女性ホルモンの不足にともなう陰部の症状に対して卵胞ホルモンを局所的に補充できる医薬品は、今のところ日本の医療用医薬品に無い」とう点が独自性があってよいです。

本庄加代子

東洋学園大学現代経営学部教授
日本マーケティング学会理事

薬局で購入できる点は非常にすぐれており、産婦人科にいくまでもない状況のときの様子見には最適で女性の口にできない気持ちに答える商品だと感じました。ただ価格は少し高めなので、使用方法などの分量は外箱によりわかりやすく、何回分と説明書にはっきり記載したほうがいいかと思いました。HPや動画をみて使用方法を確認する必要がありましたが、動画はわかりやすく、関連したQA頁も役立ちました。より継続すると効果が出るのか、あるいは、症状が出る前から使用すると予防効果があるかなども知りたいです。
性機能やホルモンバランスの課題解決をはかられている貴社の長い歴史や想いをより明確に打ち出すと、製品ブランドと企業ブランドの相乗効果がより発揮されるのではないかと思いました。軟膏でホルモン補充ができること自体があまり知られていないため、マーケティング次第では今後の市場成長に大きく期待できると考えます。

小口彩子

一般社団法人日本フェムテック協会幹事
社会保険労務士

薬局やドラッグストアで薬剤師や登録販売者に相談しながら購入できる点や、女性ホルモンを少量ずつ皮膚から吸収するので、肝臓への負担が少ない点が安心感につながります。
塗るタイプのクリーム剤なので、手軽にセルフケアとして取り入れやすい印象です。無香料でコールドクリームのような塗り心地のため、日常のスキンケアに近い感覚で続けられ、抵抗感が少なく使用できました。また、販売店舗がオンラインで確認できるのはありがたいと思いました。
1日数回、適量を気になる部分に塗るだけとシンプルで、使用上の注意もしっかり明記されているため続けやすいです。添付文書やセルフチェックシートを活用すれば、自分の体調に合わせた塗布量や頻度を調整しやすく、無理なく継続できます。ホルモンバランスが崩れやすい時期は、心身ともに不安定になりがちですが、バストミンを使うことで更年期特有のほてりや気分の揺らぎが軽減された実感があり、日常生活が少し楽になることでQOLの向上につながると感じました。女性ホルモン補充療法と聞くとハードルが高いイメージが強い中で、塗り薬として提供されるのは画期的で必要な箇所に局所的にアプローチできる点は新しく、さらに情報発信やユーザーの声を積極的に取り上げると注目度が高まるでしょう。

上田美央

一般社団法人日本フェムテック協会事務局長
株式会社シルキースタイル代表取締役

更年期症状かどうかもわからない人も多い中で、まずはセルフチェックをしてセルフケアで対処してみれる一医薬品があることは安心感につながりました。1日1回、手軽に塗布するだけの一般用医薬品は、日常のスキンケア・ボディケアの一環として取り入れやすいです。薬局やウェブでの注文も可能（薬局受け取りではあるが）なので、初回の買いやすさはもちろん、継続した買い求めやすさも高いです。女性として美と健康に対してプラスの対処を講じている感覚がうれしくQOLは高まりました。少量づつ投薬することで、リスクも抑えながら効果の両立を目指している点は非常に高く評価できます。欧米で使用されている女性ホルモン補充法を、日本で手軽に安心感を持って使用できる医療用医薬品の形にし、悩む女性のQOLを上げる市場を作り上げた開発背景は素晴らしく、バストミンというネーミングも覚えやすいです。
香りを少しつけたり気分があがるパッケージにするなどするとより手にする女性が増えるきっかけにはなると思います。もっと薬局の店頭で目にとまるところに配置したり、健康診断などの際に一定の年齢の人に更年期やGSMについての冊子を配布していくなどの啓発活動を今後もっと積極的にしていってくださることを期待しています。

企業担当者からのコメント

このたびは「バストミン」をフェムテック銘柄に認定して下さり、誠に光栄に存じます。
世のなか多様性が言われるようになりました。性別はもとより何事もセグメント化して十把一絡げに語ることが難しい時代です。一人ひとりの違いを尊重し、目線を合わせて敬意を払い、必要に応じ出来る限り一人ひとりに寄り添うことが求められます。
そのような社会の中で、性ホルモンは誰の体内にも程度の差はあれ存在しますが、健常成人の平時でも変動しますし、急に低下することもあります。しかも、変動にともなう心身の変化も様々です。
そのような心身の変化に対して、元もと分泌していた範囲内で多すぎない程度の性ホルモンを、限りなく安全に自分で少しずつ市販の塗り薬で補充して対処できる。そんな選択肢があっても良いのではないでしょうか？
弊社の性ホルモンの塗り薬は60年前後の歴史と実績を積んでいますが、私が携わってから28年にわたり、このような考え方で世に問うて参りました。これを機に「バストミン」をフェムテックの素材として一人ひとりに上手く使いこなしていただき、末永くお役だていただけましたら幸いに存じます。